3.3.1.空出品詐欺

空出品詐欺では、詐欺師はまず、オークションで虚偽の出品をする。落札されると、落札者に代金を振り込ませる。しかし、代金を振り込んでも、落札者に商品が送られてくることはない。連絡も取れなくなっている。

空出品を成功させるポイントは、落札者に信用させることです。代金を先に振込んでも、問題ないと思わせる。そのために、詐欺師はオークションの「評価」制度を悪用する。オークションサイトでは、取引後に出品者を落札者が評価する仕組みを用意している。問題なく取引できた場合には「非常に良い」や「良い」、トラブルがあった場合には「非常に悪い」や「悪い」といった評価を付ける。評価は誰でも参照できるので、取引しようとする相手が、過去にトラブルを起こしていないかどうかをチェックできる。詐欺師は、この仕組みを逆手に取る。具体的には、ある一定期間は、きちんと取引をして評価を上げる。そして、ある程度「非常に良い」の点数が溜まったら一気に多数の空出品をして、落札者に代金を振り込ませて逃げる。商品が送られてこない落札者からは、「非常に悪い」の評価と怒りのコメントが寄せられるが、その時点では、空出品詐欺は完了している。

 

3.3.2.取り込み詐欺

 空出品詐欺とは逆に、出品者から商品をだまし取るのが、「取り込み詐欺」。詐欺師は商品を落札すると、出品者に「すぐに使いたいので商品を送ってほしい」と頼み、代金を払わずに商品を手にしようとする。

あと一歩のところで落札できなかったユーザーに対して、出品者になりすましてオークション外での取引を持ちかける手口もある。「次点詐欺」だ。詐欺師はまず、オークションサイトで公開されている情報を基に、終了しているオークションにおいて、次点で落札できなかったユーザーを突き止める。そしてユーザーに対して、「落札の都合で、取引がキャンセルになった。よかったら買わないか」と、オークション外での取引を持ちかける。ユーザーが応じたら、自分の口座に代金を振り込ませて、連絡を絶つ。当然いつまで待っても商品は送られてこない。しびれを切らしたユーザーが、本当の出品者に連絡しても、相手には身に覚えのないので、どうしようもない。

ヤフーは出品者以外には次点ユーザーのIDを閲覧できないように対策を施した。

 

3.3.3.なりすまし詐欺

「なりすまし詐欺」も後を絶たない。これは、詐欺師が別のユーザーのIDとパスワードを使って、そのユーザーになりすまして、金品をだまし取る手口です。

出品者と落札者を仲介する「エスクローザーサービス」があります。エクスローサービスでは、落札者から代金を預かり、入金されたことを出品者に通知する。それを受けた出品者は落札者に商品を送付する。送付が完了すると、出品者に代金を払う。