4.2政府・業界の迷惑メール対策

 膨大な迷惑メールの対策を政府、業界で行っています。注目される4点について要約します。

(1)法的規制

 特定電子メール法、特定商取引法を20086月に改正し、12月から施行されています。広告・宣伝メールを送信先の承諾なしに、いきなり送信すると法律違反になります。これまでのオプトアウト方式から事前の同意を必要とするオプトイン方式に変更になりました。

 20092月に出会い系サイト業者に事前に承諾を得てから送るように業務改善指示の行政処分が下りました。これが知られてから217日以降この種のメールは急減しています。

(2)なり済ましを許さない「送信ドメイン認証」

 受信側のメールサーバーでメールにある送信元のIPアドレス(ドメイン)と受信側のメールサーバーが送信元のメールサーバーに問い合わせたIPアドレス(ドメイン)とを照合し検証結果をメールに記載してユーザーに配信する方式です。一致しなければ「なり済まし」とします。

(3)プロバイダーのサーバーを経由しないメールはブロック

 発信側のメールサーバーで送信数制限を実施しているので、迷惑メール業者は発信側のメールサーバーを経由せず直接受信側のメールサーバーに送信します。発信側のメールサーバーを経由しないメールは受信側メールサーバーでブロックします。すなわち「ポート25番ブロック」です。[14]

(4)ボット対策プロジェクト

 経済産業省と総務省がISP(インターネットプロバイダー)と共同で20072月から「ボット対策プロジェクト」を実施しています。おとりマシンでボットを捕獲し感染パソコンを特定し、ボットの感染に気付いていないユーザーにISPがメールで通知します。ユーザーはメールの指示に従って対策サイトにアクセスし、ボットを駆除します。2008年末までに通知した数は34万通。

ボット感染パソコンは20054月に2.02.5%だったのが20086月には1.0%に減少しています。

なお、通知を受けていないユーザーも利用できます。

(総務省、経済産業省連携プロジェクト/サイバークリーンセンター)
https://www.ccc.go.jp/flow/index.html