1.1ウィルスの種類

ウィルスの分類はいろいろありますが、感染の違い増殖方法の違いなどで分類しています。

 (1)プログラム感染型ウィルス

 プログラムに感染し、他のプログラムに感染・潜伏し、増殖するタイプ。

aファイル感染型

拡張子が、execomなどのプログラムファイルに感染します。

上書き感染型、追記感染型、すき間感染型の3つのパターンがあります。
 [細1]

b
マクロ感染型

MS-WordMS-ExcelMS-Access等のデータファイルに含まれるマクロ機能(繰り返して行なう処理を自動的に実行するためのプログラム)を利用して感染します。マクロ機能はハードウェアやOSに依存しないため、同じアプリケーションソフトが動いていれば、どんな環境でも感染します。

cスクリプトプログラム感染型

マイクロソフトのオフイス製品(WordExcelなど)のデータファイルにはスクリプトが添付されています。それは、スクリプト言語で記述した簡易プログラムです。そこにウィルスが潜伏します。

 

d HTMLスクリプトプログラム感染型

 HTMLスクリプトプログラムWebページをブラウザー(Internet Explorer8) で見る時、ダウンロードを早くするためスクリプトプログラムでホームページの一部を記述してあり、それをダウンロードしてブラウザーでスクリプトプログラムを実行して画面に表示させます。そのスクリプトプログラムにウィルスが感染します。

セキュリティホールがあるとメーラー(Windows Liveメールなど)でプレビューするだけ、あるいはWebブラウザーで表示するだけでウィルスが勝手に実行してしまいます。

HTMLスクリプトプログラムはHTMLファイルに埋め込まれているスクリプトのこと。言語にはJavaScriptを使います。

 

eブートセクタ感染型

ブートセクタ(コンピュータが起動する際にディスクから最初に呼び込まれる、ブートプログラムがあるシステム領域)に感染するタイプです。

 

f複合感染型

プログラムファイル感染型とブートセクタ感染型の両方の特徴を持つ。ウィルスに感染したファイルを実行すると、まずブートセクタに感染し、次にコンピュータを起動した時にメモリーにウィルスが常駐して、実行したプログラムに次々と感染するタイプです。

 

 (2)ワーム型ウィルス

 ワームは独立したプログラムで、ウィルスのようにプログラムに感染・潜伏することはありません。パソコンへは電子メールに自分自身を添付して侵入し増殖します。

ワームは電子メールなどを使って、勝手にアドレス帳のアドレス宛へ自分自身を添付したメールを送りつけて増殖します。

 

a.電子メール型

ア.電子メールシステムが持つスクリプト言語を使用し、添付ファイルではなくメッセージに付随するタイプ。

イ.自己増殖するためにメールシステムを利用し、添付ファイルとして自分自身を他のコンピュータに送り込むタイプ。

 

b.ネットワーク型

電子メールとは異なる通信プロトコルを使用して感染を広げるネットワーク型ウィルスもあります。

Melissa]

99年春に出現し、たった数日で数万台から数十万台ものパソコンが感染したMelissaW97MMelissa Aは、Wordの文書ファイルに感染するマクロウィルスで電子メールの添付ファイルとしてユーザーに送られて、この添付ファイルを開くとMelissaWordに感染すると同時にワームとして増殖し始めます。

具体的には、勝手にWordのマクロ機能を使ってOutlookを起動し、Outlookのアドレス帳に登録されている宛先50件に対し自分自身を含んだWordファイルを添付して電子メールを送信します。

 

(3)トロイの木馬型ウィルス

トロイの木馬型ウィルスは独立したプログラムで、通常のプログラムゲームなどのアプリケーションにしのばせておき、ゲームなどを実行すると悪さ(発病)をします。

トロイの木馬型ウィルスはプログラムに感染しませんし、増殖もしません。悪意のある第三者(クラッカー)が送りつけた電子メールの添付ファイルを無用心に実行すると感染します。